液体・空気・炉内などの内部温度測定に
安立計器のシース熱電対温度センサは、液体・空気・炉内などの内部温度を測定する温度センサです。シース部分は針金のように曲げることができ、その状態を保持できる構造になっています。
測定条件に合わせて、シース外径・長さ・熱電対・熱接点・材質などのカスタムが可能です。
測定する温度や場所、必要な応答性、使用環境に応じて仕様を選択可能。型式が決まっていない段階から、カスタム仕様についてご相談いただけます。
シース熱電対温度センサとは?
シース熱電対温度センサは、温度を検知する「熱電対」を、細長い金属製のシースに収めた温度センサです。
シース部分を液体や炉内などの測定したい位置に入れて、内部の温度を測定します。
センサ自体に温度を数字で表示する機能はありません。熱電対に対応した温度計などに接続することで、測定した温度を確認します。
安立計器のシース形センサは、シース部を曲げ、その形状を保持することもできます。
「熱電対」と「シース」とは?
熱電対
2種類の金属を組み合わせ、温度によって生じる電気信号を利用して温度を測るセンサです。
シース
熱電対を内部に収めている、細長い金属製の保護管です。
液体・空気・炉内などの温度測定に
安立計器のシース形センサは、液体温度・空気温度・炉内温度などの温度管理に使用できます。
液体の温度測定
液体にシース部を挿入し、内部の温度を測定します。
空気の温度測定
測定したい位置にシース部を配置し、空気の温度を測定します。
炉内の温度測定
炉内にシース部を配置して温度を測定します。
使用できる温度は、シース外径・熱電対の種類・シース管材質などの組み合わせや使用環境によって異なります。
測定条件に合わせて仕様を選択
測定条件に合わせてカスタム
安立計器のシース形センサは、測定条件に合わせて各部の仕様を組み合わせることができます。
形状・コーティング、シース外径、熱電対、熱接点、シース管材質、シース長さ、コード、プラグなどを選択可能です。

たとえば、応答速度を考えてシース外径を選ぶ、使用温度や環境から材質を選ぶ、使用する温度計に合わせて熱電対やプラグを選ぶなど、測定条件によって適した仕様は異なります。
どの組み合わせが適しているか分からない場合は、カスタム仕様についてご相談ください。
1. 形状・コーティング|使い方や使用環境に合わせて選ぶ
シース形センサは、グリップ形・スリーブ形・端子箱形などから形状を選択できます。
また、仕様に応じてフッ素樹脂コーティングも選択可能です。
形状はセンサの持ち方や設置方法などに合わせて選び、コーティングの有無は使用環境を考慮して選定します。
*フッ素樹脂コーティングを選択した場合、使用温度限界は200℃です。
*また、組み合わせによって選択できない仕様があります。
2. シース外径|応答速度・使用温度・強度などから選ぶ
シース外径は、φ0.25~φ8.0mmから選択できます。
シースの太さによって、温度変化への応答速度や使用できる温度などが変わります。
| シース外径 | 応答速度の目安 |
|---|---|
| φ0.25mm | 0.4秒 |
| φ0.5mm | 0.9秒 |
| φ1.0mm | 2秒 |
| φ1.6mm | 3秒 |
| φ3.2mm | 5秒 |
| φ4.8mm | 10秒 |
| φ6.4mm | 15秒 |
| φ8.0mm | 20秒 |
細径になるほど応答速度の目安は速くなります。
ただし、シース径は応答速度だけでは決められません。
熱容量の小さい測定物に太いセンサを使用すると、センサ自体が測定物の温度に影響を与える場合があります。一方、細いセンサは強度面では不利になります。
測定対象への影響、必要な応答性、強度、使用温度などを考えて選定します。
*応答速度は、熱容量・熱伝導ともに十分な測定物にシース外径の20倍以上を挿入した場合の目安です。実際の応答速度は測定条件によって異なります。
3. 熱電対|Eタイプ・Kタイプから選ぶ
仕様に応じて、EタイプまたはKタイプの熱電対を選択できます。
すでに温度計を使用している場合、温度計本体と同じ熱電対種類を選択します。
たとえばKタイプに対応した温度計には、Kタイプのセンサを組み合わせます。
異なる種類を組み合わせると、正しい温度を測定できません。
4. 熱接点|一般用・ノイズ・応答性から選ぶ
熱接点とは、温度を検知する熱電対の先端部分の構造です。
安立計器のシース形センサでは、3種類の熱接点から選択できます。
J1:接地形

一般用として設定されている熱接点です。
J2:非接地形

ノイズに強いことが特長です。
J3:露出形

応答速度が速いことが特長です。
※J3:露出形は、腐食性のあるガスなどが存在する環境や、高い圧力がかかる環境での長時間使用には適しません。また、選択できないシース径・仕様があります。
5. シース管材質|使用温度・環境から選ぶ
仕様に応じて、SUS316、SUS310、耐熱合金などのシース管材質を選択できます。
材質によって、耐熱性や腐食への強さなどの特性が異なります。
そのため、測定温度や使用する場所の環境などを確認して選定します。
6. シース長|測定位置と必要な挿入長から選ぶ
シース長は、測定したい位置まで届くことに加えて、内部温度を測るために必要な挿入長を確保できることも重要です。
測定位置と挿入する深さを確認して、必要なシース長を選定します。
7. コード・プラグ|接続する温度計に合わせて選ぶ
温度計本体に接続して使用するため、コードやプラグも確認します。
特に、すでに使用する温度計が決まっている場合は、対応する熱電対種類とプラグを確認する必要があります。
使用できる温度は仕様によって異なります
シース形センサの使用温度限界は、すべての仕様で同じではありません。
熱電対の種類・シース外径・シース管材質などの組み合わせによって変わります。
たとえばKタイプでは、仕様によって500℃、650℃、750℃、800℃、900℃、1000℃、1050℃など使用温度限界が異なります。
そのため、測定したい温度に合わせて、対応するシース外径や材質などを確認する必要があります。
※実際に使用できる温度は、センサ周辺のガスや薬品などの使用環境によっても変わる場合があります。
※フッ素樹脂コーティング仕様の使用温度限界は200℃です。
内部温度を正しく測るための3つのポイント
シース熱電対で内部温度を測定するときは、センサの仕様だけでなく、 太さや挿入方法 も測定結果に影響します。
POINT 1 測定物に合わせてシース径を選ぶ
温度センサは、測定物から熱を受け取って温度を測定します。
熱容量の小さい測定物に太いセンサを入れると、センサ自体が測定物から熱を奪い、本来測りたかった温度から変化してしまう場合があります。
一方、細いセンサは強度面では不利になります。
測定対象への影響と必要な強度などを考えて、シース径を選ぶことが重要です。


POINT 2 十分な深さまで挿入する
内部温度を測る場合、センサをどのくらい深く入れるかも重要です。
安立計器では、シース外径の15倍以上を挿入長の一つの目安としています。
| シース外径 | 挿入長の目安 |
|---|---|
| φ1.0mm | 15mm以上 |
| φ1.6mm | 24mm以上 |
| φ3.2mm | 48mm以上 |
| φ6.4mm | 96mm以上 |
挿入が浅いと外部への放熱の影響を受け、本来測りたい内部温度より低く測定される場合があります。

※シース外径の15倍以上は、内部温度を測定するときの挿入長の目安です。
POINT 3 穴に挿入する場合は隙間にも注意する
対象物に穴を設けてシース熱電対を挿入する場合は、センサと穴の隙間にも注意が必要です。
隙間が大きいと測定対象との接触が悪くなり、空気が入り込むことで応答が遅くなったり、本来測りたい温度より低く測定されたりする場合があります。
安立計器では、十分な挿入長を確保したうえで、穴径をシース外径より約0.2~0.3mm大きくすることを一つの目安としています。

熱電対の許容差
熱電対の許容差はクラス2で、次のように規定されています。
| 測定温度 | 許容差 |
|---|---|
| -40℃以上333℃未満 | ±2.5℃ |
| 333℃以上 | ±0.0075 × |t|℃ |
※許容差が適用される温度範囲は熱電対の種類によって異なります。
たとえば100℃では±2.5℃、400℃では±3℃です。
ここでいう許容差は、熱電対について定められた許容差です。温度計本体などを含めた測定システム全体の精度とは異なります。
概略仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 用途 | 内部温度測定 |
| 形状・コーティング | グリップタイプ、スリーブタイプ、ターミナルボックスタイプ/フッ素樹脂コーティングの有無 ※仕様による |
| シース外径 | φ0.25~φ8.0mm |
| 熱電対 | E、K ※仕様による |
| 熱接点 | 接地形、非接地形、露出形 |
| シース管材質 | SUS316、SUS310、耐熱合金など ※仕様による |
| 使用温度 | シース外径・熱電対・材質・使用環境などによる |
| シース長 | 100mm単位で指定可能。基本最大1m ※仕様による |
※製作可能な組み合わせには条件があります。詳細は仕様をご確認いただくか、お問い合わせください。
仕様選定に迷った場合もお問い合わせください
シース熱電対は、測定する温度や場所、必要な応答性、使用環境などによって適した仕様が異なります。
型式が決まっていない段階でもご相談いただけます。
測定条件や用途をお知らせいただければ、仕様選定についてご案内いたします。
「どのシース径を選べばよいかわからない」「使用温度に合う仕様を確認したい」といった場合も、お気軽にお問い合わせください。



