
ガスクロマトグラフ分析をより⼿軽に、より⾝近に

⼩型・省電⼒ ⇒ 現場分析
濃縮器を備えた⾃動サンプリング ⇒ 煩雑な前処理が不要
シンプルな制御システム ⇒ 初⼼者でもすぐに使える
サンプルガスを⾮破壊で検出 ⇒ 他検出器に接続可能(質量分析器、におい嗅ぎなど)
ボールSAWセンサの原理
球状圧電体の表⾯に設置した櫛型電極(IDT)に⾼周波信号を印加することで、弾性表⾯波(SAW)が励振されます。通常、波は伝搬するにつれ回折現象で発散してエネルギーを失ってしまいますが、球の表⾯では幾何学的に波を収束させる作⽤もあります。発散と集束のバランスを保つように理論的に設計されたIDTから励振されたSAWは、球の表⾯を無回折で多重周回します。
SAWの伝搬経路上に成膜した感応膜にガス分⼦が吸着すると、SAWの伝搬時間や信号強度が変化し、その変化は周回数とともに拡⼤するため⾼感度にガスを検出できます。ボールSAWセンサは直径3.3 mmの⽔晶球を⽤いているため⼩型であり、室温で動作するため省電⼒です。

Sylphの動作原理
Sylphは、濃縮器を備えた⾃動サンプリングシステムを標準搭載しています。動作原理は、まずサンプルガスをポンプで吸引し吸着剤を充填した濃縮器に通過させます。
次に、バルブで流路を切り替え、濃縮器を急速加熱すると、サンプルガスが吸着剤から脱離して⽔素吸蔵合⾦キャニスターから供給されるキャリアガスによって、カラムに導⼊されます。カラムで分離されたガスはボールSAWセンサによって⾮破壊で検出され、排気されます。

【主な効果・導入メリット】
- 現場で即時データ取得 → 分析スピード向上、意思決定の迅速化
- 従来装置に比べて設置スペース・導入コストを大幅削減
- オンサイト計測によりサンプル輸送の手間を削減、業務効率化
- インラインでの異臭検出
【用途・業界】
- 酒の臭気測定(酒造メーカー・食品メーカー)
- コーヒーの焙煎状況測定
- 環境計測(大気中成分・GHG分析)
- 自動車関係(社内臭気測定等)
- 工場設備や研究機関での品質管理(異常臭気検出)
- クリーンルーム内でのVOC測定(IPA、アミン類、露光関連でのモニタリング)
- エネルギー分野(排ガス、燃焼ガス分析 など)
- シックハウスガスの検出